『お金2.0』(佐藤航陽)「価値主義は、パラダイムシフトではない」

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メタップス佐藤航陽さんの『お金2.0 新しい経済のルールと生き方 (NewsPicks Book)』を読みました。

最近は、「資本主義のあとは何か」という議論がさかんですよね。

お金2.0』には、資本主義の代替として、価値主義という概念が登場します。

価値主義とは

まずは、『お金2.0』で書かれる「価値主義」とは何なのかについて。

・お金が価値を媒介する唯一の手段であったという「独占」が終わりつつあるということです。価値を保存・交換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はなくなっています。

・価値を最大化しておけば、色々な方法で好きなタイミングで他の価値と交換できるようになっていきます。「価値」とは商品の販売チャンネルの1つみたいなものです。

・今後は、可視化された「資本」ではなく、お金などの資本に変換される前の「価値」を中心とした世界に変わっていくことが予想できます。

お金が絶対的な基準であった「資本主義」から、お金以外の尺度を複数持つ「価値主義」に移行するという主張です。

では、「価値」とはなんでしょうか。

興奮・好意・羨望などの人間の持つ感情や、共感・信用などの観念的なものも、消費することはできませんが立派な価値と言えます。価値主義における「価値」とは経済的な実用性、人間の精神にとっての効用、社会全体にとってポジティブな普遍性の全てを対象にしています。

価値は、

  1. 有用性としての価値
  2. 内面的な価値
  3. 社会的な価値

の3つです。

これまでの資本主義が有用性としての価値にばかり焦点を当ててきたが、これからは後の2つも大事。

ゲームのルールがかなり変わりますよね。

価値主義はパラダイムシフトではない

価値主義への移行は、過渡期にいる実感があります。

SNSを見ていると、消費する局面では内面的な価値や社会的な価値を重視しようよという話になっています。

ところが同じ人が、起業やフリーランスとして独立など「売る側」になると、有用性、つまり「役に立つ」ことをしないといけないと言い始める。

結局まだ、資本主義の文脈なんですよね。

徐々に、売る側も変わってくるのでしょう。

ところで、価値主義は、資本主義とまったく別のものなのでしょうか。

パラダイムシフトなのでしょうか。

ちなみにパラダイムとは、

アメリカの科学史家T=クーンが一九六二年に提唱した概念で、ある時代に支配的なものの見方、考え方のこと。(日本国語大辞典より)

です。クーンは『科学革命の構造』でこれを提唱しました。

価値主義がパラダイムシフトであるかどうかについて、佐藤さんはこう書いています。

価値主義とは資本主義と全く違うパラダイムではなく、これまでの資本主義が認識できなかった領域もテクノロジーの力を使ってカバーする、資本主義の発展系と考えてもらったほうがわかりやすいと思います。

価値主義は確かに資本主義の代替ではありますが、完全なパラダイムシフトではないんですね。

佐藤さんの主張のこの部分を見逃してはいけません。

つまり、依然としてお金が一番偉い社会が、もうしばらく続くわけです。

あくまでも、資本の根源である価値にも注目しようよというだけです。

価値を最大化したほうがいいのは、そのほうがお金が最大になるからです。

訪れるのは、資本主義ではできなかった、「価値を資産として活用する」ことが可能になる社会。

プレイヤーは、「今すぐ換金するか、もう少し価値資本を増殖させるか」を選ぶことができるわけです。

テクノロジーを線でとらえる

上の引用にもあるとおり、価値主義を実現するのは、テクノロジーの進化です。

佐藤さんが経営するメタップスもそうですが、Fintechの注目度が増すのは当然の流れですね。

では、テクノロジーの進化について、僕たちはどう向き合えばいいのでしょうか。

テクノロジーの変化を見る時は「点」ではなく「線」で捉えることが大事です。

これ、なんとなくわかりますよね。

たとえば評価経済のような分野で新しいサービスが出るたびに祭のように参加するのも、楽しいものです。

でも、いちいち楽しむだけでは、ずっと消費者のまま。

僕たちが考えるべきは、「なぜこういうサービスが出てきているのかなあ」ということなんですね。

ケヴィン・ケリーの『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』には、こんな話が出てきます。

・テクノロジーの性質そのものに、ある方向に向かうけれど他の方向には行かないという傾向(バイアス)がある。
・声のメッセージを遠くに送る電話は不可避だが、アイフォンはそうではない。
・デジタル世界の不可避とは、ある慣性の結果生じたものだ。つまり、テクノロジーの移り変わりには慣性が働いている。

変化は不可避。そして、その変化は気づかないうちに進んでいくのです。

一つ一つの変化だけに注目するのではなく、線でとらえる。

とても難しそうですが、資本の蓄積がしたいなら必須のチャレンジですね。

まとめ

最後に、本のまとめというか、僕なりの理解のまとめ。

  • 価値主義は資本主義の発展形なので、パラダイムシフトではない
  • 本当のパラダイムシフトは、ある日くる
  • テクノロジーの変化を線で捉えれば乗り遅れることはない
  • そうすればあなたはお金持ちになる

ここから先の10年、20年をかけて、お金を持ちたいと思う人は、ぜひ読んでみてください。
おもしろいですよ。

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