【創作】大島康夫の日記19「ウマ惣」

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1月18日(金)晴れ

いしざわさんに指定された場所は、言っていた新宿ではなかった。

日暮里舎人ライナーの熊野前という駅で、調べたら西日暮里で乗り換えると行けるようだ。

生まれて初めて行った熊野前という場所は、思ったよりも通りが大きく、でも人はいなかった。

店は「ウマ惣」というレストランで、熊野前から徒歩3分、住宅街の中にあるようだ。

もしGoogleマップがなかったらたどり着かなかっただろうと思いながら、スマホを片手に店の前まで歩いた。

洋館風のその店は、荒川の住宅街の中で妙に目立っていた。

たどり着くことだけに集中していたが、いざ着いてみると、私は不安になった。

これから、いしざわさんが集めた知らない人たちとの新年会なのだ。

いったいどんな人が来ていて、そもそも何人いるのだろうか。

そして、101年倶楽部というのは何なんだろう。

私は、来なければよかったかもしれないと思った。

思い切って、ウエイティングスペースを抜け、2つ目のドアを開けた。

店内は、おそらく40名から50名は入れそうな広さで、しかし客は一人もいなかった。

50代くらいの女性店員がひとり出てきた。

「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか」

「あ、どうだろう。多分そうです。いしざわで予約入ってますか?」

「いしざわさま、ですか。いえ、本日はひと組様で貸切なので、そちらでしょうかね」

「あ、じゃあ多分そうです。」

「はい、大島様でご予約いただいています」

「え、あ、はい」

私は、あまり驚かずに受け入れている自分が不思議だった。

それにしても、あと5分で開始のはずで、しかもこの広い店なのに、他の人がひとりも来ないのはどういうわけだろうか。

本当にこの店で合っているのか。

予約名が大島だったが、よく考えたらそれは私ではなくて、いしざわさんとは別の団体の大島さんかもしれず、いしざわさんは予約もしていなくて人数も3人くらいかもしれない。

もう、何が不安で何が気持ち悪いのかもわからなくなってきていて、とにかくいしざわさんが早く来てほしいということだけを願った。

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