小島信夫『別れる理由』、P+D BOOKSで読み始め、全く進まない

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小島信夫の『別れる理由』がP+D BOOKS(ピープラスディーブックス)から出ている。

『別れる理由』を出したP+D BOOKSとは

P+D BOOKS(ピープラスディーブックス)というのは、「ペーパーバック+デジタル」という意味らしくて、小学館から出ているレーベルだ。

P+D BOOKSサイト

絶版になっている昭和文学を、安価に読めるようにしてくれている。

素晴らしい。

小島信夫の『別れる理由』などは、文庫化されなかったものだから、Amazonか神保町かで、箱入りの重い本を手に入れるしかない。

それが、文庫本よりやや大きいくらいのサイズで、1冊数百円で読めるのだ。

『別れる理由』は『抱擁家族』の続編

で、わたしは、さっそく1巻、2巻を購入したのだが、これが、全然進まない。

3巻が出たのだが、積読になること間違いなしなので、まだ購入していない。

『別れる理由』は、『抱擁家族』の続編ということになっている。

わたしは、P+D BOOKSから『別れる理由』が出ると聞いてから、『抱擁家族』を読み返した。

読み返したというか、前回読んだ時には最後まで読んでいない気がするので、途中までが再読で、後半は初めて読んだ。

これは、後期小島信夫に比べれば本当に(わたしたちが想像する意味での)小説で、しかしこれはこれでおもしろかった。

これで『別れる理由』を読む準備が整った。

『別れる理由』は、以前の版を神保町でたまに見かけていたのだが、これまで手を出さなかった。

ずっと、『寓話』が読みかけのままだったので、それが終わってからにしようと思っていたのだ。

『別れる理由』はどんな作品か

ところで『別れる理由』というのは、かなりの問題作というか奇書で、なんと1968年〜81年(!)という長期間にわたって「群像」に連載された。

斎藤美奈子は、『日本の同時代小説』のなかで、こう書いている。

ちなみに一九八一年には、小島信夫が六八年から書き続けてきた『別れる理由』も完結します。これは『抱擁家族』の続編に近い小説で、第一巻はまだ小説らしい体裁を保っていますが、第二巻、第三巻は完全に液状化して収集不可能な代物と化します。

小谷野敦は、『芥川賞の偏差値』で、さらに強烈に評している。

そのあと小島は「町」を『群像』に連載し始めるのだが、これが途中で「別れる理由」と題を変えて延々十数年連載された。ひたすら自身の周辺で起きたことをダラダラダラダラと書き連ねる実に退屈でしかも読者をなめきった小説で、『別冊宝島 現代文学で遊ぶ本』(一九九〇)で渡部直己が小島信夫の堕落として痛罵している(もっともその文章が蓮見重彦そっくり)。文壇のパーティーに出かけて実在の作家や文壇評論家に会ったり、主人公から作者に電話がかかってきたりして、何だか面白いとされて、全三巻で単行本化されて野間文芸賞を受賞した。だがあまりにつまらないので講談社ですら文芸文庫になどしない。どういう内容かは坪内祐三の『『別れる理由』が気になって』に詳しく書いてある。

とにかく、異常に長いうえに、支離滅裂で、おもしろいのかどうかもわからない作品だということだ。

こんなものは、「わかりやすさ」に過度に価値を置いた風潮のある現在では誰もおもしろがるわけはなく、だからこそ、P+D BOOKSで出たことは意義深い。

『別れる理由』がわからない

わたしは、数十ページ読んだ止まっていて、しかもそこまでの話をもう忘れてしまった。

戻ってまた最初から読むべきか、それともこのまま進むべきか、とても迷っている。

2016年に、カフカの『城』を読んだとき、わたしは、「分かろう」としてしまって、前半何度も戻って読み直した。

後半になって、分かるとか分からないとか、もっというとストーリーというのは大して重要ではないということに気づいて、そのまま読み進めることにした。

これを書いて気づいたのだが、わたしは『城』を読んでいなかったら、今の小説の読み方をしていないのかもしれない。

そんなわけで、わたしは『別れる理由』がまったく分からずに、ちんたら読んでいる。

もっと時間をとって一気に読むことで、巻き込まれていくのだと思うし、そういう幸せな世界にいくことがおそらく小説を読むことで、それは決して分かりやすいとか感動するとかいう話ではなくて、ネタバレされたら終わりみたいな作品とは、同じ小説というジャンルに入れることすらおかしい。

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