【ドカベン】赤城山高校の木下は、山田太郎に勝った
引越しが終わったら、手元にない水島新司作品を買い揃えよう(買い直そう)と思っていたのだが、先日、水島が引退を発表したせいだろうか、Amazonでの値段がどの作品も上昇してしまっている。
何も中古でなくてもいいだろうと思うかもしれないが、絶版の作品が多く、中古でしか手に入らないのである。
ちなみに、水島作品は、電子書籍にもなっていない。
今、事情で、正式に引越しが終わっていないので、少ししてほとぼりが冷めたらまた値が元通りになるだろうと見込んでいる。
全作品を揃える話は置いておいて、当面は「ドカベン」について考え続けることにしたらよいだろう。
「ドカベン」の何を考えるかというと、「ドカベン」という作品の世界の中で起こることについて考えるのである。
例えば、赤城山高校の木下(わびすけ)は、山田太郎をセーフティバントのヒット1本に抑えたが、さも山田との勝負に負けたかのような感覚を持っていそうで、それはなぜだろうか、といったようなことである。
確かに試合は、その山田のバントで決まったのだが、それは、ホームラン打者としての仕事ができないからそうしたわけで、ホームラン打者山田と両手投げ木下の対決は、完全に木下の勝ちだ。
さらに、木下は、明訓高校ではなく、山田太郎と勝負するために柔道から転身してきた選手なので、なおのこと、試合結果そのものよりも、山田との対戦が重要だったはずである。
木下は、試合に負けたことにより、まるで山田に負けたような気持ちになっているのだろうが、実際には、ほとんどの好投手が打たれた山田太郎を、ほぼ抑えた、というのが真実なのではないだろうか。
といったような類のことを、「「ドカベン」の世界で起こることについて考える」と呼んでいる。
ちなみに、わたしは、そんな木下が、土佐丸に負ける試合が好きで、何度も見返した。
あのセンバツで、最も印象に残った試合は、その試合かもしれない。
ところで、示し合わせたわけでもないだろうに、木下以外にも、賀間、影丸も同じ時期に山田を追って柔道から転身してきている。
さらに、関東大会で山田は、その3人が所属する学校すべてと対戦することになった。
山田ほどの大打者にもなると、そういったストーリー、舞台が用意されているものなのだろうか。
▼いしざわのnote